
AEDはひんぱんに使用するものではありません。
そのため価格重視で選ばれる方が多いように感じます。
一方、価格重視で選ぶときに、本体価格が安いか高いかで比較している方が多いように見受けますが、それは間違いです。
「AEDを価格重視で選びたい」という方にぜひ知っていただきたい2つのこと、お教えします。
AEDはコスパで選びましょう
コスパがいいAEDを選ぶためには「保証期間」と「トータルコスト」の2つを考慮して比較検討したほうがいいでしょう。
ネットやAMAZONでAEDを検索してみると本体価格が掲載されていますが、「本体価格が安い=お得」とはなりません。
なぜなら機種ごとに本体の保証期間と消耗品等のランニングコストが異なっているからです。
ではAEDのコスパってなんでしょうか?
それは、トータルコスト(本体+消耗品)÷保証期間=コスパ となります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
AEDのトータルコストとは
AEDの基本構成は以下のようになっています。
本体 + バッテリー + 電極パッド + その他(ケースや救急セットなど)
なかにはバッテリーと電極パッドが一体型になっているAEDもあります。
ややこしいのが、バッテリーや電極パッドには使用期限が設けられております。
しかも本体の使用期限よりも短いものが多く、そのために何度かバッテリーやパッドだけ交換する必要がでてきます。
ご参考に数社のAEDを比較してみました。
機種名 |
本体 保証期限 |
電極パッド 使用期限 |
バッテリー 使用期限 |
日本光電 AED3100 |
5年 |
2年8カ月 |
4年 |
フィリップス HS1+ |
5年 |
2年 |
4年 |
フィジオ サマリタン |
8年 |
4年 |
4年 |
こちらの表をもとにトータルコストを考えてみましょう。
(使用時のパッドやバッテリーの交換は考慮しない場合)
日本光電3100のトータルコスト
本体価格 + 電極パッド交換1回分 + バッテリー交換1回分
フィリップス HS1のトータルコスト
本体価格 + 電極パッド交換2回分 + バッテリー交換1回分
フィジオコントロール サマリタンのトータルコスト
本体価格 + 電極パッド交換1回分 + バッテリー交換1回分
となります。
パッドやバッテリーは各社で値段が異なりますが、本体価格だけで比較してはいけないことがご理解いただけたのではないでしょうか。
保証期間と耐用年数
AEDの本体には保証期間と耐用年数が定めてあります。
2つの違いを説明します。
保証期間とは
通常使用における故障などが生じた場合に、メーカーが無償での交換・修理対応をおこなう期間のことです。
一般的にいうメーカー保証の期間ですね。
リースを組む場合はこの保証期間で組まれることが多いです。
保証期間は、フィジオコントロール社のAEDは8年となっており、その他のメーカーのAEDは5年となっております。
耐用年数とは
AEDを使用できる上限の期間です。この期間を過ぎたら必ず本体を交換してくださいというものです。
基本的には耐用年数が過ぎたAEDを使用することはやめてくださいと各社メーカから言われます。
たとえば実際にAEDを使用すべき場面に出くわしたとき、そのAEDの耐用年数が切れていました。
実際に使おうとしてもうまくAEDが作動しませんでした。
さて万が一の事態になったときに誰が責任をとることになるのでしょうか?
実際にこのような事例があったかは知りませんし、誰の責任になるかはわかりません。
ただこの場面に関わった人たち(AEDの使用者も、所有者も)はかなりの精神的苦痛になることが想像されます。
命を救うAEDだからこそ、ルールは守って使用したいですよね。
ちなみに主要各社のAEDの耐用年数を比べてみました。
日本光電 AED3100 | 8年 |
フィリップス HS-1 | 7年 |
フィジオコントロール サマリタン | 8年 |
旭化成ゾール AED Plus | 7年 |
CU SP1 | 7年 |
オムロン HDF-3500 | 7年 |
気を付けないといけないのが、耐用年数まで使うとバッテリーやパッドの消耗品が追加でかかることがあることです。
コスパが悪くなる一つの要因ですね。
以上で保証期間と耐用年数がコスパに大きく影響することがご理解いただけたかと思います。
今回はコスパでAEDを選ぶときに、「トータルコスト」と「保証期間」をみてみましょうという内容でしたがいかがでしょうか?
冒頭でお伝えした「トータルコスト(本体+消耗品)÷保証期間=コスパ」というのはいわゆる年額が算出されます。
本サイトのトップページに月額換算コストを算出して記載しておりますが、保証期間でコスパを考えるとけっこうな差が出るようです。
ぜひご参考にしてみてください。